阪九フェリーせっつ乗船記｜神戸〜新門司｜ひとり旅レビューブログ

17時00分、福岡県北九州市「JR小倉駅」。
本日乗船するのは、阪九フェリー「せっつ」。
新門司港から神戸・六甲アイランドまで、12時間半の船旅です。

JR小倉駅近くのバス乗り場から、港行きの無料送迎バスに乗車。
17時20分、定刻通りに出発しました。

途中、門司駅で数名の乗客が乗車。
再び港へ向けて走り出します。

バスに揺られること約35分。
新門司港第1ターミナルが見えてきました。

バスを降りると、目の前に現れたのは壮麗な建物。
神戸行きの新門司港第1ターミナルです。

奈良時代の平城京・大極殿を模して造られた建物で、平成3年1月に完成。
想像以上の迫力で、周囲の建物とはまったく馴染んでいません。
遠くからでも一目でわかる存在感です。

なぜ平城京のデザインなのか。
「九州から京都・奈良へ行こう」

そんな阪九フェリー社長の思いが込められているそうです。

乗船手続きを終え、2階の乗船口へ向かいます。
係員が乗船券をチェックしていました。

チェックが終わると、船へとつながる通路へ。
その先には、もう一人の係員がスタンバイ。
「乗船口はこちらです〜」

その案内に従い、いよいよ乗船。
船内に入り、今夜の寝床へと向かいました。

客室は「スタンダード洋室」。
2段ベッドの相部屋タイプで、私は下段の135番。

上段には誰か来るはず…だったのですが、ラッキーなことに誰も乗ってきませんでした。
つまり、実質ひとり。
個室気分で最高です。

ベッドには枕・布団・マットレスが完備。
タッチ式の照明にコンセント、小さなコインロッカーも。
ロッカーは100円を入れると鍵がかかり、開ければ返却されるタイプ。
貴重品を入れておくにはちょうど良さそう。

ひと息ついたところで、船内をぶらり探索。
そのまま展望デッキへ向かいました。

18時40分、阪九フェリー「せっつ」は定刻通り新門司港を出航。
航路は穏やかな瀬戸内海。
日本海と違い、揺れはほとんど感じません。
船酔いの心配がいらないのは助かります。

出港の様子を眺めたあとは部屋に戻り、お風呂の準備。
そのまま6階のレストランへ向かいました。

19時ちょうど、6階のレストランに到着。
ここはカフェテリア方式。
料理を自分で選び、お会計をしてから席に着くスタイルです。

まずは手を洗って、プレートを手に取ります。
レーンの最初には小鉢やサラダ。
その先には、大皿に盛られた惣菜がずらり。

ご飯と汁物はサイズを口頭で伝えるスタイル。
大きなメニュー表もあるので、指差しでも問題ありません。

直感で選びたかったけど、なかなか決まらず。
後ろが混みはじめたので、いったん列を外れ仕切り直し。

選んだのは6品。
麻婆豆腐、油淋鶏、鶏レバー、サラダ、プリン、ご飯、味噌汁。
合計2,540円。

会計を済ませ、席に着きます。
どれも美味しくて、お腹もしっかり満たされました。

食後は部屋に戻って着替えを用意。
そのまま7階の大浴場へ向かいました。

19時30分、7階の大浴場に到着。
暖簾をくぐると、大浴場とシャワールームが並んでいました。

人が多かったので、今回は個室のシャワールームへ。
節水式の蛇口を捻り、しっかり温まります。

ドライヤーで髪を乾かし、風呂上がりにスコール（180円）を1本。
展望デッキで夜風にあたりながら、ゆっくり飲み干しました。

そのまま部屋に戻り、早めの就寝です。

0時05分、起床。
スタンダード客室は22時に消灯され、カーテンの先は真っ暗。
階段の照明だけが静かに灯っていました。

音を立てないように部屋を出て、展望デッキへ向かいます。

0時13分頃、来島海峡大橋を通過。
ライトアップはなく、うっすら浮かぶ橋のシルエットだけが見えました。
見物客は私ひとり。贅沢な貸切状態。

橋を眺めた後、0時50分に船内へ戻ります。
無料Wi-Fiに接続し、スマホで調べ物。
しばらくすると小腹が空いてきたので、夜食タイムへ。

5階の自販機でカップ麺を購入し、エレベーターで6階へ。
閉店後のレストランで、静かに夜食をいただきました。

閉店後のレストランは一部がフリースペースとして開放されていました。
夜中のレストランは無人でとても静か。
作業に集中するには最高の環境です。

コインロッカーからパソコンを取り出し、作業に没頭。
気づけば午前2時。
一区切りつけて、瀬戸大橋を見に展望デッキへ向かいました。

02時12分、瀬戸大橋が見えました。
予定では2時20分頃の通過でしたが、気象や海象の影響で前後するようです。
だから、通過10分前後を目安に外を眺めておくのがちょうど良い感じ。

船内には現在地をリアルタイムで示すモニターもあり、
それで確認すれば見逃す心配もありません。

瀬戸大橋を見届け、部屋に戻って就寝しました。

午前5時35分、起床。
まだ眠気が強い中、顔を洗って展望デッキへ。
すでに数名の乗客が橋の通過を待っていました。

05時46分、明石海峡大橋を通過。
夜中に見た橋とはまったく違う印象。
明るい空の下、巨大な橋が目の前に迫り、その迫力に圧倒されました。

橋を眺めた後、部屋に戻って少し横になりました。

午前6時、レストランに到着。
朝食はセットメニューが数種類あり、どれも魅力的。

今回は鯖定食をチョイス。
該当する料理を棚から選びトレーに乗せると、自動的に鯖定食と判定されて、単品より少しお得に。

前にいた乗客はコーヒー、パン、野菜サラダ、ゆで卵のシンプルなモーニングセットを選んでいました。
「あれもいいな〜」と思いつつ、お会計を済ませて席へ。

窓の外の日の出に照らされた海を眺めながら、朝食を楽しみました。

食後は部屋に戻り、歯を磨いて身支度を整えました。

到着15分前、下船案内の放送が流れました。
「下船15分前になりました。下船の準備をお願いします。」

ロビーにはすでに多くの乗客が集まっていました。

窓の外に見えるのは、貨物の積み下ろしを行う巨大な「ガントリークレーン」。
大量のコンテナに囲まれた港は、まるで巨大な機械の森のようでした。

午前7時3分、下船開始。
乗客たちは次々と船を降りました。

ターミナル前には神戸市内行きの送迎バスが待機中。
停車駅はアイランド北口駅、JR住吉駅、阪神・阪急御影駅の計4箇所です。

7時32分、全員がバスに乗り込み、バスは出発しました。

07時54分、JR住吉駅に到着。
バス停から駅までは徒歩2分ほどの距離で便利です。

JR住吉駅から三ノ宮までは電車で約10分（200円）、神戸市内へのアクセスは抜群。
大阪駅へも約27分（410円）で行けるので、利便性も高いです。

次は、神戸港を出発し新門司港へ向かう船旅もぜひ体験してみたいです。
あの平城京を模したフェリーターミナルを目指して。

■船乗り場：阪九フェリー 泉大津港乗り場
■住所：〒595-0074 大阪府泉大津市小津島町1-3
■営業時間：9:00～最終便出航まで

■船乗り場：神戸六甲アイランド港
■住所：〒658-0031 兵庫県神戸市東灘区向洋町東3丁目2-1
■営業時間：9:00～最終便出航まで

■船乗り場：新門司港
■住所(神戸行き第1ターミナル)：〒800-0113 福岡県北九州市門司区新門司北1-1
■住所(泉大津行き第2ターミナル)：〒800-0113 福岡県北九州市門司区新門司北1-1
■営業時間：9:00～最終便出航まで（第2ターミナルの乗船券の発売は、15：00～最終便出航まで）

■名称：明石海峡大橋(アカシカイキョウオオハシ)
■開通日：1998年4月5日
■場所：兵庫県の神戸市〜淡路島の間
■橋の長さ：全長3,911m

■名称：瀬戸大橋(セトオオハシ）
■開通日：1988年4月10日
■場所：四国〜本州の間
■橋の長さ：全長12,300m

■名称：来島海峡大橋(クルシマカイキョウオオハシ）
■開通日：1999年5月1日
■場所：愛媛県今治市〜大島の間
■橋の長さ：全長4,105m