コスモライン「プリンセスわかさ」フェリー乗船記｜鹿児島〜種子島ブログ

07時50分、鹿児島市「いづろ通駅」。
本日乗船するのは、コスモラインの高速船「プリンセスわかさ」。
目的地は種子島・西之表港。
約3時間半の船旅です。

港に最も近い駅を地図を見ながら調べたところ、この駅に辿り着きました。
いづろ通駅から南埠頭旅客ターミナルまでは徒歩約17分。

この時間帯はバスも運行していません。
一応、路線自体はあるのですが、フェリーの出発が早朝のため利用できないのです。

しかたなく、重たいスーツケースを引きながら港へ向かいます。

08時10分、南埠頭旅客ターミナルに到着。
このターミナルには、2つの船会社が入っています。
屋久島行きの折田汽船と、種子島行きのコスモラインです。

窓口は隣同士。左が屋久島行き、右が種子島行き。
今回はもちろん、種子島行きのコスモラインです。

ターミナル入口前に置かれていた乗船書類に必要事項を記入。
右側の窓口で手続きを済ませて、乗船券を受け取りました。

建物を出て右へ進むと、木製の通路が続いています。
その先に、種子島行きのフェリー「プリンセスわかさ」が停泊していました。

港に設置されたタラップを登って船内へ。
上がった先では、乗務員が静かに待機しています。

乗船券を手渡すと、その場で印鑑が押され、すぐに返されました。

乗船口を進むと、細い通路が続いていました。

ここは船の2階部分。
通路の先には、大部屋の2等室がありました。
そのすぐ横には、急な階段とエレベーター。

重たいスーツケースを持って、急な階段を一段一段と上がっていきます。
急勾配の階段の上だと、荷物を持ち上げる度に後ろへひっくり返りそうになります。

階段を登った先は3階。
客室、エントランスデッキ、案内所、自販機、トイレなど。
船内の主要な設備は、すべてこのフロアに集まっています。

今夜の寝床は、この3階にある相部屋に決めました。

船内に流れている軽快な音楽。
耳に飛び込んできたのは、日本の人気アイドルグループ・嵐の「One Love」。
花男を思い出します。

大きな荷物を置く専用スペースは特に設けられておらず、そのまま船内に持ち込むスタイルでした。
運よく角のスペースを確保。
荷物を壁側に寄せて置きました。

部屋には、レザー素材の四角い枕のようなものがいくつか用意されています。
私が手に取った枕は穴が空いていました。
持参していたタオルを上に重ねて使うことにしました。

08時40分、プリンセスわかさは定刻通りに鹿児島港を出港。
岸を離れるとすぐに、船内にはアナウンスが流れます。

「ご乗船の皆様にご案内申し上げます。」
「本日はプリンセスわかさにご乗船いただきまして、誠にありがとうございます。」
「只今より皆様を、種子島・西之表港へとご案内してまいります。」

今日は波が高く、途中で揺れが予想されるとのこと。
鹿児島湾を抜けたあたりから本格的に揺れ始めるそうで、
できることなら船酔いだけは避けたいところです。

船内には、特に暇をつぶせるようなスペースはありませんでした。
時間を見ては中央のエントランスへ足を運び、位置情報モニターで現在地を確認したり、備え付けの新聞を読んだり。
そんなふうにして、のんびりと時間を過ごしていました。

空腹のままでは船酔いしやすいと聞いていたので、念のため船内の自販機でアイスとジュースを購入。
少しでも胃に何かを入れておこうという、ささやかな対策です。

……が、残念ながらこの作戦はまったく効果なし。
その後、私は本格的な船酔いの波にのまれていくことになります。
むしろ、胃に入れたものが裏目に出たのでは――そう思ってしまうほどの展開でした。

鹿児島湾を抜け、指宿市を過ぎたあたりから様子が一変。
船はじわじわと、大きく揺れ始めました。
それに合わせて、次第に気分も悪くなっていきます。

そしてついに、人生でも忘れられないレベルの船酔いに見舞われ、トイレにこもる羽目に。
まさかここまでとは――。

吐ける場所があったのはまだ救いでしたが、まだ乗船から1時間も経っていない現実に、
「あと2時間半もこの状態が続くのか」と考えると、気が遠くなりました。

冷や汗は止まらず、胃の中が空っぽになるまで何度もトイレを往復。
最後は吐くことにも疲れ果て、目覚ましだけセットして横になることに。

気づけば、2時間半があっという間に過ぎていました。
眠ったというより、もはや“気絶”に近い状態だったかもしれません。

12時32分、種子島・西之表港に入港。
海はやや荒れていたものの、ほぼ定刻通りの到着でした。

スカイデッキから見える西之表港の景色はとても美しく、
強い風に吹かれながらも、しばらくその景色に見入ってしまいました。

途中、船酔いでつらい時間もありましたが、
2時間半しっかり休んだおかげで、体調はかなり回復。

いやぁ、ほんとによかったです。

12時10分、下船が始まりました。
船に取り付けられたタラップをゆっくりと降り、ついに種子島の地に足を踏み下ろします。

このあとは、港のすぐ目の前から出ているバスに乗って、南種子町方面へ向かいます。
西之表港から南種子町役場前までは約1時間12分。運賃は1,480円です。

では、1時間ほどバスに揺られてきます。

■船乗り場：南ふ頭旅客ターミナル
■住所：〒892-0814 鹿児島県鹿児島市本港新町6番地

■船乗り場：種子島・西之表港
■住所：〒891-3111 鹿児島県西之表市西町
■電話番号：0997-22-1011